共催: 日本鋼構造協会, 土木学会, 日本気象学会, 日本建築学会, 日本風工学会, 電気学会
柱・梁が外周部に設置されるような超高層建物を建設する際には,外部作業が発生するため,「せり上げ足場」等と呼ばれる外部作業用足場が用いられることがある。この足場は,建設中の建物頂部付近に設置され,施工段階に応じて順次せり上げられていくものである。一般に,足場の耐風設計には「改訂 風荷重に対する足場の安全技術指針」((社)仮設工業会)が用いられているが,同指針では,地面から立ち上がる通常の枠組み足場を想定しており,せり上げ足場のような形式の足場に作用する荷重の算定法は示されていない。そこで本研究では,一般的なせり上げ足場を対象に縮尺1/70で再現した模型を用いて風洞実験を行い,風力係数の評価を試みた。その結果,「改訂 風荷重に対する足場の安全技術指針」では考慮されていない,横方向や鉛直方向にも大きな風荷重が作用し,設計時に注意を要することが確認された。