風工学シンポジウム論文集
第21回 風工学シンポジウム論文集
セッションID: 16
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乱流拡散場において二分子化学反応が大気汚染物質の濃度及び輸送に与える影響
*菊本 英紀大岡 龍三
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抄録

大気汚染物質は、一般的に化学反応性を有し、光化学スモッグの主要因物質であるオゾンも、窒素酸化物や炭化水素など多種の物質が絡む複雑な反応機構によって生成されることが知られる。ところが、街区規模の大気汚染解析において化学反応性を考慮した研究事例は少なく、非反応性物質の移流拡散性状が主たる検討対象となってきた。しかし、今日も環境基準達成率の極めて低い光化学オキシダントの生成が、化学反応に起因する事を考慮すれば、その影響は決して無視できるものではない。 そこで、本研究では、化学反応をモデル化し、LESを用いて物質の反応性がストリートキャニオン内の濃度場に与える影響を検討している。化学反応としては、自動車排気ガスに含まれる一酸化窒素が大気中のオゾンによって比較的短時間に酸化されるという二分子化学反応を考慮の対象とした。その結果、汚染物質の反応性が、都市街区規模の濃度場に有意な差を生じさせることを確認し、乱流場での反応現象の特性を明らかにした。

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© 2010 風工学シンポジウム運営委員会
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