主催: 日本建築学会
共催: 日本風工学会, 日本鋼構造協会, 土木学会, 日本気象学会
会議名: 第24回 風工学シンポジウム
開催地: 東京,建築会館ホール
開催日: 2016/12/05 - 2016/12/07
森林などを含む地表面粗度条件における竜巻状渦の数値計算を実施した。草地を想定する粗度要素の低い条件においては、既往の研究と同様に定在竜巻の条件でVortex break-downが確認され、乱流エネルギーなどの値について整合する結果となった。また、移動する竜巻は複雑な三次元性状を取ることがわかった。地表面に森林層を模擬した定在竜巻では、Vortex break-downは発生せず、竜巻のコア半径は大きくなり、上昇流速度は小さくなった。また、乱流エネルギーについても減少し、圧力の極小値も大きくなった。竜巻が移動する条件において、圧力極小値並びに最大スカラー風速の空間分布を可視化した。それによれば、地表面が草地の場合、最大スカラー風速の分布からは、竜巻状渦がらせん状に旋回する様子が確認された。竜巻が部分的に配置された森林層を移動する際の空間分布からは、森林通過時に圧力極小値が大きくなるとともに、新たな圧力中心が形成され発達することが明らかになった。今後、樹木動揺を考慮した森林層のモデルを組み込み、竜巻が及ぼす風倒木影響と、それの気流場へのフィードバックを考慮した竜巻シミュレーションを実施する予定である。