抄録
気象学,工学の双方において風の特性の把握は重要なテーマであるが,数十kmの気象現象をとらえるためにはメソ気象モデルが,10m以下の流体現象をとらえるためには数値流体力学(CFD)が用いられてきたことから,対象とする流れ場のスケール,流れ場,流れ場の変動は異なっている。一方で近年メソ気象モデルWRFでは, LESに基づく乱流モデル(WRF-LES)が導入され数十mのスケールの気象場の変動をとらえることが想定されている。そこで本研究では地形の起伏のない理想化された対流境界層の流れ場にWRF-LESを適用し,その流速の変動特性を明らかにする。その結果,空間解像度30mで解析されたケースでは空間解像度50mで解析したケースに比べ,より高周波な風速の変動が得られることが確認された。