風工学シンポジウム論文集
第25回風工学シンポジウム論文集
セッションID: 23
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列植樹木の間隔が歩行経路の各温熱要素に及ぼす影響の分析
*本間 実季新井 千秋石田 泰之持田 灯
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抄録

近年、ヒートアイランド現象や気候変動によりもたらされる極端気象により、温熱快適性の悪化や熱的健康被害が問題となっている。その対策の一つとして樹木の活用が注目されている。樹木が屋外の風環境・温熱環境に及ぼす効果としては、①樹木の流体力学的影響、②樹木による短波・長波の放射減衰の効果、③樹木からの蒸発散に伴う潜熱を含む熱収支への影響、が挙げられる。放射環境の改善効果と蒸発散に伴う気温低減効果は樹木が多いほど高まるが、同時に湿度上昇や風速低減をもたらす。さらに、実都市においては植栽空間の管理・整備の手間やコスト等が増加することなどから、樹木の適切な配置間隔を見極めることが求められる。本研究では、樹木の配置間隔を段階的に変化させた4ケースを対象とした平衡状態における非定常熱収支解析及びCFDに基づく非定常流体解析を実施し、樹木の配置間隔の変更が歩行者空間のMRT、地表面温度、気温、絶対湿度、風速、乱流エネルギーの空間分布に及ぼす影響を評価した。さらに、樹木下を歩行する人間が各時刻に経験する環境条件下の各温熱環境要素及び非定常SET*の経時変化に及ぼす影響を定量的に評価した。

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