九州歯科学会雑誌
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若年期の虚弱脛骨骨幹皮質骨に関する実験的研究 : 骨基質形成
太田 和子牧 憲司西岡 孝浩
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1999 年 53 巻 1 号 p. 149-164

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抄録
成長発育期の特に思春期のカルシウム不足により虚弱骨を惹起した場合, 直ちにバランスのとれた食餌療法を長期間継続することにより, 骨基質形成が回復するかを明らかにすることを目的に検討した.生後8週齢(ヒトの思春期に相当)のWistar系雄ラット30匹を使用した.対照群(標準食群)は, ラット標準A配合飼料と水道水で3週間飼育した.カルシウム欠乏食群は, A食変型カルシウム欠乏飼料と蒸留水で3週間飼育した.低カルシウム食群は, A食変型30%低カルシウム飼料と水道水で3週飼育した.脛骨骨幹皮質骨における骨基質形成について検索し, 以下の結果を得た.小児期の中でも生体組織が最も大きく変化する時期は思春期, いわゆる第二次性徴期であることはいうまでもない.この時期では小児にとって低年齢児で日常の食生活を学習し, 高年齢児で一つの習慣として規則正しい食生活へと自己の管理をする時期でもある.このような流れの中で成長期の若年期には骨の内部構造はある程度の骨塩量を保っていることになる.従って, 低年齢児と異なり, バランスのとれた食生活を長期間にわたって行うことにより, 骨の変換は活発になり回復することが考えられる.このことは当教室の一連の研究から骨構築状態は低年齢児と大きく異なった所見である.ヒトの思春期に相当する時期での低カルシウム食群は乳児期, 幼児期, 学童期に至る食生活のカルシウムを十分摂取しておくことにより予防は十分可能であることが示唆された.
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© 1999 九州歯科学会
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