九州歯科学会雑誌
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日本の歯学部におけるラテックスグローブの使用による接触皮膚炎の発症頻度
内藤 徹緒方 里奈横田 誠
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1999 年 53 巻 2 号 p. 271-277

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抄録
歯科診療においてラテックスグローブを使用することは, 交差感染の予防のために推奨されている.しかし日常的なグローブの使用による皮膚科学的問題や, 生命を脅かすアナフィラキシーについても報告されるようになってきている.日本における歯科医療従事者のラテックスグローブの使用による接触皮膚炎の発症率は, 最近までなされていない.この研究では, ラテックスグローブの使用による接触皮膚炎の発症についての質問表調査を, 九州歯科大学の歯科医療従事者425名に対して行った.質問項目は, ラテックスグローブの装着時間, 接触皮膚炎の発症の有無とその症状, アレルギー性疾患の既往歴に焦点を当てた.回答率は88%であり, 回答者の22%がラテックスグローブの装着による接触皮膚炎を経験していた.また, 女性の発症率は32%, 男性の発症率は14%と発症率に性的な有意差が認められた.接触皮膚炎の発症率とアレルギー性疾患の既往歴との間には高い相関が認められ, 接触皮膚炎の発症群のアレルギー性疾患の既往歴は68.3%, 非発症群の既往歴は26.9%であった.この研究では自己申告制であり, 実質的な歯科医療従事者のラテックスグローブによる接触皮膚炎の発症率を示している.ラテックスグローブによる接触皮膚炎に関する注意の喚起と啓発が重要である.
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© 1999 九州歯科学会
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