九州歯科学会雑誌
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第70回九州歯科学会総会・学術大会(2010)特別講演:「市民フォーラム」のすすめ
河原 英雄
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2010 年 64 巻 p. s6

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抄録
1967 (昭和42) 年九州歯科大学を卒業して43年が経過しました。その間歯科医学,治療 技術そして歯科器材においても大きな進歩発展をとげて来て,今や成熟の時代に入ってき たようにさえ感じます。「痛み止め歯医者」「歯抜き屋」「入れ歯屋」といったイメージから スタートした歯科界も近年では「国民に求められる歯科」「国民にQOLをもたらす歯科」「国 民に支持され応援される歯科」を目指す時代の到来です。日本歯科医師会は約20年前「8020J を提唱し予防歯科の啓蒙を行っています。 個人的なことですが私は還暦を機に福岡市から移転し現在地に開業しました。そこで感 じたことですが歯科に対する人々の予防意識や歯科治療に関する認知度は都市部と地方の 農漁村部では大きな温度差があると気づきました。60オで現有歯数は20本以下という「8020」 には程遠いデータを耳にすることもあります。 現在の私は学会活動を控え、最近の新しい歯科を一般社会に正しく知らせるべく本格的 に「市民フォーラム」の講演活動をはじめました。目的は予防意識の向上と潜在患者の顕 在化です。この様なことは本来行政とか日本歯科医師会などの組織が行うことかもしれま せんが、個人レベルの活動で小さな集団から一歩づつ進めていく方法もあろうかと思いま す。 私は過去に何度か「市民フォーラム」での講演の機会を与えられその手ごたえを強く感 じました。今回の九州歯科学会の発表としては相応しいものとは思いませんがその実際を 供覧し役を果たさせていただこうと思います。
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