九州歯科学会雑誌
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歯科用有機溶媒とアクリル酸塩の暴露に関する評価
林 鴻吾 鱒見 進一
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2011 年 64 巻 5 号 p. 169-185

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抄録
本研究は,歯科における揮発性有機化合物の暴露について評価したものである.まず,歯科技工所で使用される歯科用レジンの中から5種のモノマーについてガスクロマトグラフィーとマススペクトロメトリーにより分析した.つぎに,歯科技工所および歯科医院従事者の揮発性有機化合物暴露について検討するために,3MOrganic Monitorを用いて個人サンプルを採取し,ガスクロマトグラフにより評価した個人サンプル採取期間中にアンケート調査を実施した. 5種の歯科用レジンモノマーを分析した結果,メチルメタクリレートが最も多く含有されていた個人サンプルにおけるメチルメタクリレート暴露の様相は対数正規分布に近似していた.本研究におけるメチルメタクリレートの暴露は,産業的暴露限界よりも少なかったが,歯科技工所における補綴装置製作により,メチルメタクリレート以外のいくつかの揮発性有機化合物暴露があるかもしれない.メチルメタクリレートを比較的高頻度に暴露する歯科技工所のアンケート回答者は,比較的不満も多く,とくに頭痛,目のかゆみや灼熱感やかぶれ,耳障りな声,のどの渇きなどを訴えたすべての化学製品に対する広範囲の暴露評価および,N,N,3-トリメチルベンゼナミンのような生物学的影響の情報がない化学製品の毒物的研究が必要であると思われた.
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© 2011 九州歯科学会
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