九州歯科学会雑誌
Online ISSN : 1880-8719
Print ISSN : 0368-6833
ISSN-L : 0368-6833
シミュレーションテストの成績と学生の不安, ストレス, 緊張の関係について
村岡 宏祐 久保田 浩三笠井 宏記園木 一男中村 太志中島 啓介高田 豊横田 誠
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 64 巻 5 号 p. 191-195

詳細
抄録
近年,歯学教育の改革は,目覚しいものがあり,学生に対する要求度も益々密度が増大している.中でも学生にとって最もストレスフルな状況はOSCE(Objective Structured Clinical Examination), CBT (Computer Based Training)などの試験ではないかと考えられる.特にOSCEは, 2006年度から本格実施され,学生の間では,筆記試験と違う独特な緊張感に悩まされている. 今回,学生の心理的背景が, OSCE様式の歯周病実習試験(シミュレーションテスト)の試験結果に影響をおよぽすか検討した. 被験者は, 2006 年度九州歯科大学3 年生で,本研究に参加した84 名である.シミュレーションテストの前にState—Trait Anxiety Inventory (ST AI) を用いて不安尺度を測定したあと,ストレスの生化学マーカである唾液中のクロモグラニンA (CgA), 血圧,脈拍を測定した.シミュレーションテストは,プラッシング指導の試験で, 20点満点で評価した.試験終了後に再度STAI,CgA, 血圧,脈拍を測定した. シミュレーションテストの成績を応答変数とし,STAI, 平均血圧,脈拍,CgAのパラメーターを説明変数とした重回帰分析を行った試験前のシミュレーションテストの成績を応答変数とした重回帰分析では,特性不安(Trait),脈拍CgA,試験後のシミュレーションテストでは,平均血圧,脈拍,CgAに有意な影響をおよぼしていることを明らかにした. 以上のことから,シミュレーションテストの結果には学生の精神的,生理的にストレス負担が大きいことがわかったこのことから今後OSCE教育を行う上で,心理的背景を考慮した指導の重要性を示唆するものである.
著者関連情報
© 2011 九州歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top