九州歯科学会雑誌
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九州歯科大学口腔保健学科学生の学修動機づけにおける 臨床実習の効果
鬼塚 千絵中村 桃子前田 直美杉山 裕香中 雅美木尾 哲朗千綿 かおる秋房 住郎柿木 保明寺下 正道
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2015 年 69 巻 1 号 p. 13-18

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抄録
臨床実習は医療人としての知識,技能,素養を実践して修得するために重要な科目と位置づけられている.4年制の口腔保健学科の学生は,3年次に歯学部附属病院で臨床実習を行う.最終学年を迎え,さらに1年間の学修期間が残っている時期に,臨床実習の経験が残りの学修行動にどのように影響したかを検討することは,カリキュラム編成のための参考となる.学生の臨床実習前後の目標の変化を分析し,臨床実習が学生の学修動機づけ,すなわち学修意欲の向上に繋がるのかを検証した.  臨床実習経験後は社会的環境への興味が増し,個人的な知的活動への興味が少なくなる傾向にあった.学生は臨床実習を経験し,自身の職業を意識することになったものと考えられる.目標を課題価値分類した結果,自律的な学修動機づけの重要な構成要素である「利用価値」が臨床実習後に増大し,臨床実習の経験が学生の学修意欲の向上につながる事が推測された.  口腔保健学科生の3年次に行われた臨床実習は学修動機づけ的側面を持つ事が示唆された.
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© 2015 九州歯科学会
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