抄録
近年,国外ではバイオセラミックス(BC)系バイオマテリアルがModern Endodonticsにおける必須アイテムとなりつつあり,国内においても,基礎・臨床研究から得られたエビデンスをベースとしたBC系バイオマテリアルの開発・普及・展開が必要である.
歯内療法の対象疾患および対象組織は多様であるため,BC系バイオマテリアルの開発は疾患の連続性と各生体材料間の親和性・結合性を念頭においてシステマティックに行われる必要がある.当分野は,BCの1つである Bioactive Glass(BG)に着目し,象牙質・歯髄複合体および根尖歯周組織の創傷治癒・再生治療用のBG配合バイオマテリアル(BG Material)の開発を関連企業と進めている.BG Material開発に関するトランスレーショナル・リサーチでは,基礎研究によるエビデンスを示した上で最終製材の品質管理プロセスへと開発を進めた.その成果として,2017年に根管充填用シーラー,2021年に覆髄まで適応範囲を広げたBG配合歯内療法用材料「ニシカキャナルシーラー BG multi」が製品化された.
今回,BG配合歯内療法用材料に関する基礎研究成果とそれを反映する臨床成績を示すとともに,Regenerative EndodonticsとしてBG配合スキャフォールドへの展開についても概説し,歯の保存について言及したい.