抄録
歯科用口内法エックス線画像検査とパノラマエックス線画像検査はCT検査が普及した現在でも,歯科診療に欠かせない画像検査であり,これらは治療方針を大きく左右する.適切な画像診断を行うためには適切な撮像技術が必要である.歯科用口内法エックス線撮像は臨床研修歯科医師がまず習得すべき基本技術のひとつであるが,全身の医療に適用されるエックス線撮像の中でも特に技術が要求されるため,臨床研修歯科医師にとっての大きな壁となる.読像についても,常に見落としを無くして適切な診断をくだすには要点をおさえて画一化した手順でおこなっていく必要がある.本稿では臨床研修歯科医師に向けて,診療技術がいち早く向上するために意識すべき撮像と読像のポイントを解説する.これまで培ってきた知識を有効に臨床応用する手助けとなれば幸いである.