九州歯科学会雑誌
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低分子量Gタンパク質の活性化を制御する 生理活性物質の新規糖尿病予防法への可能性
古株 彰一郎
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2025 年 79 巻 1 号 p. RV00008-

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抄録
糖尿病は進行すると下肢の壊疽、失明、腎・脳・心血管障害といった深刻な糖尿病性合併症を引き起こす.2025年までに世界の糖尿病人口は7億人以上に増加すると予測されており,新興国においても糖尿病の有病者が増加していることから,安全でかつ安価な治療や予防法の確立が強く望まれている.ゲラニルゲラニオール(GGOH)はイソプレノイドの一種であり,米やフルーツに含まれる天然食品成分である.近年の研究により,GGOHが抗糖尿病効果に関連するペルオキシソーム増殖因子活性化受容体の発現を上昇させることや,糖消費の最大臓器の一つである骨格筋量の維持に寄与する可能性が示唆されている.すなわち,GGOHの摂取は糖尿病の予防に有用である可能性がある.
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© 2025 九州歯科学会
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