抄録
現在までに,骨形成タンパク質; Bone Morphogenetic Protein (BMP) は約20種が同定されている.これら全てが骨形成能を持つわけではなく,特にBMP3およびBMP3bは骨形成能を示さない.BMP3は1988年に発見
され,その後BMP3bがBMP3と高い相同性を有する類似タンパク質として同定された.これらTransforming
Growth Factor β (TGFβ) スーパーファミリー内でBMP/ Growth and Differentiation Factor(GDF)とTGFβ/Activinのサブグループ間に位置することから,これまで機能解析が十分に行われてこなかった.しかし,最近の研究によりBMP3bのコンベンショナルノックアウトマウスモデルにおける骨組織解析が行われた.BMP3およびBMP3bはBMP受容体のアンタゴニストとして作用し,骨芽細胞の分化を抑制することで骨量を負に制御することが判明した. そこで本総説では,BMP3とBMP3bの機能およびその調節メカニズムに関する最新の知見を詳述し,将来の研究課題と骨再生医療への応用の可能性に焦点を当てた議論を展開する.