抄録
本研究の目的は新入生がいかにして九州歯科大学を知り
受験に至ったかについてアンケートを分析し,新型コロナ
感染症の流行が大学選択行動に及ぼす影響の有無を検討し,
本学口腔保健学科(以降本学科と記載)の教育及び広報活動
を支援する点にある.
2021 ~ 2024年度本学科新入生100名を対象としアン
ケートを行った.新型コロナ感染症のパンデミックの影響
を評価するため,蔓延期(2021 ~ 2022年度)と収束期
(2023~2024年度)の2群間の母比率の差の検定を行った.
蔓延期と収束期では,現役生の割合,本学科を知った
きっかけに有意な差はなかった.出身地域で上位の九州
地方,中国地方および,福岡県,広島県において蔓延期
と収束期で有意差はなかった.関係者に歯科以外の医療
従事者のいる新入生の割合は,蔓延期(12.0%)から収束
期(30.0%)にかけて有意に増加した.志望理由で上位の
「国家試験の合格率が良い」(45.0%)は蔓延期と収束期で
有意差はなく,「北九州に魅力を感じた」が蔓延期(2.0%)
から収束期(14.0%)にかけ有意に増加した.
蔓延期と収束期の比較において,歯科以外の医療従事
者がいる新入生の割合が有意に増加していたことから,
パンデミックと医療従事者の歯学分野への関心の間に何
らかの関連性がある可能性が示唆された.北九州市の魅
力も伝える教育・広報活動,大学情報の継続的な発信が
入試広報として効果的であると考えられた.