形態・機能
Online ISSN : 1884-6084
Print ISSN : 1347-7145
ISSN-L : 1347-7145
原著論文
腰椎術後患者の安静、Draw-in、頭部挙上による側腹筋筋厚変化
谷 明藤川 寿史中西 和毅高田 聖也則松 貢輔大塚 章太郎宮崎 雅司榊間 春利
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 18 巻 1 号 p. 2-8

詳細
抄録

腹部深層筋の収縮は胸腰筋膜を介した腰椎の剛性の増加や腹腔内圧の増加に関与し、姿勢保持や腰椎の安定性に重要な役割を持っている。本研究は超音波診断(エコー)装置を用いて、側腹筋の加齢変化と腰椎術後患者の安静、Draw-in、頭部挙上における側腹筋筋厚変化を調べることを目的とした。手術目的で当院に入院した中高年期の男性腰椎変性疾患患者13名(腰椎患者群、平均年齢:67歳)を対象とした。また、加齢による体幹筋変化を調べるために健常若年男性10名(若年者群、平均年齢22歳)を対照とした。エコー装置を用いて腹横筋、内・外腹斜筋の筋厚を計測した。腰椎患者群は術前、術後2日、術後7日に計測を行った。加齢による変化では、腹横筋筋厚に大きな変化は認められなかったが、安静時外腹斜筋は腰椎患者群で約51%有意に低下していた(p=0.0001)。中高年期の腰椎患者群は若年者と比較して脂肪組織や非収縮性組織が増加しており、その傾向は深層筋より表層筋に著明であった。術前術後の変化では、安静時腹横筋筋厚は術前と比較して術後7日で約17%有意に低下していた(p=0.012)。術後のDraw-in、頭部挙上により腹横筋、内腹斜筋の筋厚は増加した。本研究は、側腹筋の加齢変化が深層筋より表層筋に顕著であり、Draw-inや頭部挙上は表層筋より深層筋を活性化させることを示した。また、腰椎術後患者は手術侵襲や安静による活動量の低下により術後早期に腹横筋の萎縮を生じる可能性があることを示唆した。

著者関連情報
© 2019 コ・メディカル形態機能学会
次の記事
feedback
Top