形態・機能
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足浴中の足背部の皮膚温度変化
―湯温の直接的影響を受けない実験条件下での検討―
中村 令子
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キーワード: 看護技術, 足浴, 皮膚温度, 湯温
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2007 年 5 巻 2 号 p. 61-67

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抄録

標準的な足浴の手法として湯温40~42℃で10分間が提唱されている。この根拠は、健常者を対象とした湯温42℃での足浴で足背部の皮膚温が開始後3分で湯温近くに上昇し10分で最高値に達したことによる。しかし、湯温40℃、41℃の実測直は示されていない。また、測定部を湯に浸漬していることから湯温の直接的影響を受けているとの指摘がある。本研究では、はじめに測定部を湯に浸漬した時の湯温の影響について検討した。その結果、測定部を湯に浸漬した状態では測定値が湯温の直接的な影響を受ける可能性が示唆され為そこで、次に測定部が湯に浸漬しない状態での測定方法を確立し、湯温の直接的な影響が最小限となる実験条件下で足浴中の足背部皮膚温の測定を行った。すなわち、健康な女性を対象として、新たに確立した測定方法により、湯温40℃、41℃、42℃での足背部の経時的な皮膚温度変化を検討した。その結果、皮膚温は緩やかに上昇し、最高値に達する時間は各湯温ともに10分以上を要した。測定部を湯に浸漬した時と浸漬しない時の最高値到達時間には有意な差が認められ為また、最高値はいずれの湯温でも40℃以下であっ払この結果から、測定部を湯に浸漬した状態で測定した皮膚温は、湯温の直接的影響を強く受けた可能性があることを明らかにした。

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© コ・メディカル形態機能学会
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