2007 年 5 巻 2 号 p. 69-73
ニホンザルMacaca fuscataの舌乳頭の結合織芯を走査型電子顕微鏡で観察した。舌尖におけるニホンザルの糸状乳頭は多くの細長い突起の束として観察され、茸状乳頭はドーム状を呈した。上皮を剥離すると、横方向に何本もの溝が見られ、その溝と溝の問に、ほぼ円形に並んだ突起を持つ糸状乳頭の結合織芯およびサンゴ状を示す茸状乳頭の結合織芯が、一列に並んで観察された。舌体後方外側面には、よく発達した葉状乳頭が見られ、縦に裂けた数条の溝として見られた。上皮を剥離すると、深い溝とそれを取り囲む多数の突起を溝方向に出す葉状乳頭の結合織芯が観察された。舌体後方背側面において、周囲を溝で囲まれ、円形で比較的表面の起伏に乏しい有郭乳頭が観察された。上皮を剥離すると、球状で先端に多くの突起を有する結合織芯が見られた。