形態・機能
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卵巣摘出ラットにおける尿中NTXの推移と腰椎の骨密度および組織的変化の関係
北村 文月黒川 清今本 喜久子
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2007 年 5 巻 2 号 p. 89-96

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抄録
卵巣摘出ラットにおいて、尿中I型コラーゲン架橋N-テロペプチド (NTX) の経時的変化と腰椎の骨密度 (BMD) および組織的変化の関係に基づいて、卵摘後の骨吸収を考察した。
尿中NTX値は、12週齢卵摘群では卵摘から2週後に、19週齢卵摘群では1週後に最高値に達し、3~5週後に健常レベルに戻る一過性上昇を示した。偽手術した対照群のNTX値は術後変動を示さず、健常ラットと近似であった。一方、12週齢時に0.242g/cm2であった腰椎BMDは、卵摘8週後には0.8%増となり、対照群の6.2%増と比べわずかな上昇を示した。しかし、19週齢時に0.25591cm2であった腰椎BMDでは、卵摘8週後には-3.9%となり、対照群の4.3%増と比べて明瞭なBMD減少を示した。
12週齢卵摘から8週後に取材した腰椎の矢状断切片をTRAP染色し、骨端部 (4.25mm2) の画像解析を試みると、TRAP陽性の破骨細胞数と陽性の細胞質の総面積が増加し、骨梁の狭小化が示唆された。
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© コ・メディカル形態機能学会
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