顕微鏡
Online ISSN : 2434-2386
Print ISSN : 1349-0958
特集:顕微鏡分野における高速化と高精度時間分解技術の進展
高速原子間力顕微鏡によるナノインデンテーションと機械特性計測
内橋 貴之
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2024 年 59 巻 2 号 p. 47-51

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抄録

2000年初頭に確立した高速原子間力顕微鏡(AFM)は,今では溶液中でのタンパク質の一分子構造ダイナミクスを可視化できる技術として広く使われるようになってきた.これまでは,主にサンプルの表面形状を可視化することを専らの目的として使用され,タンパク質の機能発現機構の解明に貢献してきた.一方,従来のAFMと同様に,高速AFMも近年単なる構造解析を超えた機能,例えば機械的特性の定量測定や外力による分子操作等に機能を拡張している.この総説では,半定量的なアプローチから精密な力測定とナノインデンテーションによるサンプルへの局所負荷印加と応答まで,最近の高速AFMの機能拡張と機械的特性を評価するための方法論について議論する.タンパク質や超分子ファイバーの構造操作と定量的力学計測を紹介し,定量可能な力の印加と高い時空間分解能のユニークな組み合わせにより,高速AFM技術の可能性が拡がっていることを示す.

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© 2024 公益社団法人 日本顕微鏡学会
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