日本健康教育学会誌
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保健指導の結果に関する帰属様式と自己効力感の関連
藤澤 雄太葦原 摩耶子満石 寿前場 康介竹中 晃二
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2010 年 18 巻 2 号 p. 136-147

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抄録

目的:保健指導に関する原因帰属尺度を開発し,保健指導の成功・失敗原因に関する認識を明らかにすること.また,保健指導の成否に関する原因認識と保健指導の実施に対する自己効力感との関連を検討した.
方法:保健師298名を対象に質問紙調査を実施し,保健指導が成功した原因,および失敗した原因について回答を求めた.因子分析により,両原因に関する帰属様式を検討した.また保健指導の実施に対する自己効力感とそれぞれの原因認識を構成する因子との相関を分析した.
結果:因子分析の結果,成功原因は,「対象者中心の面接方略」,「面接能力」,「変動要因」の3因子12項目で構成され,3つの因子と自己効力感の相関が確認された.失敗原因は,「面接者要因」,「統制不可能な課題」,「対象者中心の面接方略不全」の3因子19項目により構成され,「面接者要因」と自己効力感の間に負の相関が示された.
結論:保健指導の成否に関する原因帰属様式が明らかになり,帰属様式と保健指導の実施に対する自己効力感との関連が示された.

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© 2010 日本健康教育学会
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