抄録
目的:体重管理の変容ステージの無関心期に含まれるセルフエフィカシー(以下SEとする)の高い者の特徴を他の変容ステージと比較することを目的とした.
方法:2008年7月,I健康保険組合員994名を対象に,体重管理の変容ステージ,SE,生活習慣,現体重の認識,属性について質問紙調査による横断研究を行った.無関心期をSEの中央値で2つに分け,SE得点,生活習慣,属性についてKruskal-Wallis検定またはx2検定を用いて変容ステージを比較した.また,SEの高い無関心期の者を基準にBonferroniの補正による多重比較を行った.
結果:SEの高い無関心期の男性は,他の変容ステージよりもBMIが低かった(全てp<0.010).また,間食をしない男性の割合は,SEの低い無関心期や関心期の男性よりも(各々p=0.003)SEの高い無関心期の男性において高く,就寝前2時間以内の食事をしない男性の割合は,関心期の男性よりもが高かった(p=0.009).SEの高い無関心期の女性のBMIは準備期の者よりも低かった(p=0.002).
結論:SEの高い無関心期の者は,トランスセオレティカルモデルで定義されている無関心期の者とは異なっており,SEの高い無関心期の男性は,BMIが低く,体重管理のための食習慣を実践していた.