日本健康教育学会誌
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短報
地域における糖尿病ハイリスク住民の性格タイプを考慮した糖尿病予防教育の評価
猿渡 綾子木村 味佐紀西 佳奈重村 智栄子市川 寛神原 真規子金井 真弓浅野 弘明東 あかね
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2013 年 21 巻 1 号 p. 26-36

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抄録
目的:京都府中部地域において2型糖尿病予防のために,性格タイプを考慮した集団教育を行い,その効果を次年度健診結果で評価することを目的とした.
方法:研究デザインは比較試験とし,2004,2006~2008年度健診の結果,軽度肥満を伴う糖代謝異常者を対象に集団教育を実施した.教育に参加し次年度健診を受診した34人,66.5(四分位範囲:7.3)歳を介入群とした.比較群は不参加者から介入群と性,年齢,地域をマッチさせ同数抽出した.3ヶ月間に5回の教室で食事・運動に関する講義や性格タイプ別グループワーク等を行った.介入群と比較群間,さらに介入群において性格タイプの外向的群(18人)と内向的群(14人)間で,介入前健診と1年後の健診の変化量を,性,年齢と介入前健診結果を共変量とし,共分散分析で比較した.
結果:介入群では比較群に比べ,体格指数BMI(-1.3 kg/m2,p=0.02),収縮期,拡張期血圧(-7.5,-6.0 mmHg,p=0.05,p<0.01),HDL-コレステロール(7.7 mg/dl,p<0.01),外向的群では内向的群に比べ,中性脂肪が有意に改善した(-34.5 mg/dl,p<0.01).
結論:性格タイプを考慮した集団教育の結果,介入群において1年後の健診でBMI,血圧,HDL-コレステロールが,さらに介入群の外向的群で中性脂肪が改善し,教育の効果が示唆された.
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© 2013 日本健康教育学会
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