抄録
目的:食情報の入手や活用に関わる食生活リテラシーと食情報検索行動および食行動との関連を検討することにより,食生活リテラシー尺度の基準関連妥当性を検証することを目的とした.
方法:社会調査会社の登録モニターを対象とし,インターネットによる横断調査を実施した.解析対象は1,252人(男性631人,女性621人)で,平均年齢(標準偏差)は40.3(10.7)歳であった.解析は重回帰分析(強制投入法)を用い,独立変数として食生活リテラシー尺度を,従属変数として食情報検索回数および食行動得点を投入した.重回帰分析による基準関連妥当性の検討は,全対象者,性別,年齢階層別,学歴別に分析した.
結果:全対象者において,食生活リテラシー尺度と食情報検索回数(β=0.17,p<0.01),食行動得点(β=0.27,p<0.01)に有意な正の関連が認められた.また,性別,年齢階層別,学歴別においても食生活リテラシー尺度と食情報検索回数および食行動得点との関連が認められた.
結論:食生活リテラシー尺度の使用により,食生活リテラシーが高いということは食情報を多く検索していること,並びに適切な食行動の実践と正の関連があることが認められた.この食生活リテラシー尺度は食情報の入手や活用に関わる行動を反映している可能性がある.また本研究結果から,食生活リテラシー尺度の基準関連妥当性が,性別,年齢階層別,学歴別に確認された.