日本健康教育学会誌
Online ISSN : 1884-5053
Print ISSN : 1340-2560
ISSN-L : 1340-2560
原著
食生活リテラシーと食情報検索バリアおよび食情報源との関連
髙泉 佳苗原田 和弘中村 好男
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 25 巻 2 号 p. 63-73

詳細
抄録

目的:食生活リテラシーと食情報源(利用回数,信用度)および食情報検索バリアとの関連を検討した.
方法:社会調査会社の登録モニター(20~59歳)を対象に,ウェブ調査による横断研究を実施した.解析対象は1,252人(男性631人,女性621人)であった.食生活リテラシーと食情報源(利用回数,信用度)および食情報検索バリアとの関連は重回帰分析(強制投入法)を用いた.
結果:食生活リテラシーと正の関連が認められた食情報源は,男性では「医療従事者・専門家」(利用回数:β=0.12,p<0.01),「友人・知人」(信用度:β=0.14,p=0.01),「インターネット」(信用度:β=0.23,p<0.01)であった.女性では「インターネット」(利用回数:β=0.17,p<0.01,信用度:β=0.19,p<0.01),「友人・知人」(信用度:β=0.13,p=0.01)であった.食生活リテラシーと関連が認められたバリアは,「自分で検索した食情報は難しすぎて理解できない」(男性:β=-0.23,p<0.01,女性:β=-0.25,p<0.01),女性では「食情報を検索していると欲求不満や苛立ちを感じる」(β=-0.11,p=0.01)であった.
結論:食生活リテラシーが低くなるほど,特定の食情報検索バリアが高くなる可能性が示された.食生活リテラシーに影響を与えている可能性がある食情報源は,男性女性ともに「友人・知人」,「インターネット」であり,さらに男性においては「医療従事者・専門家」も含まれていた.

著者関連情報
© 2017 日本健康教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top