日本健康教育学会誌
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原著
大学生男女のBMIと体型不満
―シルエットを用いたボディーイメージの相違―
國本 あゆみ菊永 茂司岡崎 勘造天野 勝弘佐川 和則新宅 幸憲積山 敬経井上 裕美子成山 公一山崎 先也岡本 啓石井 信子田子 孝仁土岡 大介福田 隆林 恭輔小倉 俊郎東條 光彦三村 由香里松枝 睦美上村 弘子津島 愛子加賀 勝酒向 治子土井 真由鈴木 久雄
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2017 年 25 巻 2 号 p. 74-84

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抄録

目的:本研究は大学生男女個々および交互,相互におけるBMIと体型不満の関連について検討することを目的とした.
方法:対象は全国14大学に在籍する18-22歳の男性学生4,118名,女性学生2,677名であり,体組成測定およびボディーイメージに関する質問紙調査を用いた横断研究を行った.体組成は健康診断の結果もしくは実測した.
結果:対象の平均(SD)BMIは男性21.7(3.3)kg/m2,女性は20.9(2.7)kg/m2であった.BMIが18.5未満の者の割合は男性11.1%,女性14.6%であり,BMIが18.5-24.9の範囲の者の割合は男性76.1%,女性78.9%であった.BMIに対する理想不満度(理想のシルエット-現在のシルエット)と健康不満度(健康的なシルエット-現在のシルエット)の間に男性は交互作用が認められなかったけれども,女性では有意な差が認められた(p<0.001).魅力的な男性のシルエット値は,男女間に有意な差はみられなかった(t=1.231,p=0.218,d=0.04).一方,男性からみた魅力的な女性のシルエット値は平均4.65,女性が思う男性からみた魅力的な女性のシルエット値は平均3.97であり,女性は男性に比べ有意に低い値を示した(t=25.08,p<0.001,d=0.70).
結論:女性大学生の考える健康的な体型は理想体型より太い体型であった.魅力的な男性のシルエットは男女間に差がみられなかった.しかしながら,魅力的な女性のシルエットは男性より女性においてより細い体型と考えていることが示唆された.

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© 2017 日本健康教育学会
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