日本健康教育学会誌
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特別報告
ヘルスプロモーションを支える理念・理論・戦略
―原点はWHOオタワ憲章―
島内 憲夫
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2018 年 26 巻 1 号 p. 40-46

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抄録

目的:WHOのヘルスプロモーション(HP)に関するオタワ憲章は世界の保健医療関係者にとってのバイブルであり,理念である.本報告は,1.HPの基本理念,2.HPを支える理論,3.HP推進の立役者,4.日本でのHPの登場・展開,5.国際的なHPの動向,6.今後のHP戦略について論じた.

内容:ヘルスプロモーションとは,人々が自らの健康とその決定要因をコントロールし,改善することができるようにするプロセスである(オタワ憲章:1986年,バンコク憲章:2005年).HPの立役者は,Kickbusch IとNutbeam Dの二人である.

HP活動は,人々の健康課題を共有し,解決し,共に推進することに焦点を置いている.その理由は,「共に生み出すものだ」と考えているからである.

21世紀を生きる我々は,未来をコントロールし,人生をあらゆる面において豊かなものとすることが求められている.それゆえ,我々人間は自分の能力を全面的に発揮し,人生を楽しみながら,世界のすべての人々と共にヘルスプロモーション活動を実践しなければならない.

結論:そのためには,HPと協働できる健康と幸福を目指した新しい健康教育理論の構築に向かっての努力が必要である.

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