日本健康教育学会誌
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特別報告
産業保健活動の推進を土台とした健康経営
―伊藤忠テクノソリューションズ株式会社の取り組み―
金森 悟
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2018 年 26 巻 2 号 p. 169-173

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抄録

目的:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下,弊社)の産業保健活動を土台とした健康経営の紹介とともに,弊社の取り組みから中小企業の健康経営に活かせるポイントについて述べる.

内容:弊社は情報・通信業の東証一部上場企業である.2016年に創設された「健康経営優良法人(ホワイト500)」の認定を受けている.弊社の産業保健活動における法令遵守や活動の拡充の例として,定期健康診断の受診率100%を目指した取り組み,衛生委員会の設置・安定的な運営に注力してきた.また,セルフケアを目的としたeラーニング,肩こり・腰痛対策のイベントなどのヘルスプロモーション活動も行っている.弊社の事例が中小企業に参考になるとすれば,まずは法令遵守から始めることである.複数の中小企業に対して産業保健や健康経営を支援する組織においては,社会的に不利な度合いに応じて対策を強める「配慮ある普遍的アプローチ」の1つとして,労働安全衛生法に対する法令遵守を推進すべきである.

結論:中小企業が健康経営を進めていくには,まずは産業保健活動に関する法令遵守から始めることである.法令遵守を土台とした産業保健活動を展開することが健康経営の土台にもなり,さらには中小企業全体の健康状態の底上げになる.

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