2019 年 27 巻 4 号 p. 330-338
目的:食物のレベルごとに,食行動変容のために設定された行動目標で使用された具体的状況の特徴を検討すること.
方法:平成23~27年度に東京都東村山市の国民健康保険加入者で,特定保健指導積極的支援の初回支援時に食行動変容のための行動目標を設定した者252人を対象とした.行動目標を内容が類似するものでまとめ,さらに食行動変容の対象の食物のレベルを食事,料理,食品,栄養素に分類した.そして,内容分析により,行動目標で使用された具体的タイミング,頻度,場所,方法を抽出し,食物のレベルごとにその特徴を検討した.
結果:行動目標は447個(1人あたり最小1~最大4個,平均(SD)=1.8(0.8)個)設定され,食事レベルが88個(19.7%),料理レベルが87個(19.5%),食品レベルが249個(55.7%),栄養素レベルが23個(5.1%)で,食品レベルが最も多かった.栄養素レベルのみ,具体的タイミング,頻度,場所を使用した行動目標がなかった.具体的方法では様々な内容があり,中でも「内容を変える」「休肝日をつくる」「気をつける」が多かった.
結論:特定保健指導積極的支援において食行動変容のために設定された行動目標は食品レベルが最も多く,栄養素レベルの目標では行動のきっかけとなる具体的状況は使用されなかった.