2019 年 27 巻 4 号 p. 378-386
目的:本稿では,2019年4月7日~11日にニュージーランド・ロトルア市で開催された第23回IUHPE国際会議の概要とNPWP(北部西太平洋地域)の動向について紹介する.
内容:国際会議のテーマは「WAIORA: Promoting Planetary Health and Sustainable Development for All(すべての人々に地球規模の健康増進と持続可能な開発を)」で,約1200人(日本からは約40人)が参加した.基調・準基調講演では,健康格差,健康の社会的決定要因,気候変動,世代間の健康,ヘルスリテラシー,デジタル時代のスマートヘルスプロモーションなどが取り上げられた.シンポジウムや口演,ポスターに加え,Master Classなどの新しい議論形式も用意された.最終日には「健康の公平性の確保」「都市・居住環境の持続可能な開発」「気候変動への適応戦略」「参画・平和・正義・人権・世代間の健康の平等のための包括的なガバナンス・システム・プロセスを構築」の4つの戦略への行動を呼びかけたロトルア声明が採択された.3年に1度の理事選挙及び地域副会長選挙が行われ,会長にMargaret Barry氏,NPWP地域副会長に神馬征峰氏が選出された.次回2022年はカナダのモントリオールで開催予定である.
結語:第23回IUHPE国際会議の概要を報告した.今後も日本からの積極的な情報発信が期待される.