日本健康教育学会誌
Online ISSN : 1884-5053
Print ISSN : 1340-2560
ISSN-L : 1340-2560
原著
高齢者を対象とした食に関する地域活動参加の情報源と結果期待—食に関する地域活動への関心の程度による比較
柄澤 美季玉浦 有紀赤松 利恵 江田 真純深澤 向日葵外園 海稀渡邉 紗矢藤原 恵子西村 一弘酒井 雅司
著者情報
キーワード: 高齢者, 社会参加, 動機
ジャーナル フリー

2021 年 29 巻 1 号 p. 40-50

詳細
抄録

目的:高齢者の食に関する地域活動への参加を促進するため,食に関する地域活動参加当初の活動への関心の程度により,活動参加の情報源や結果期待の相違を検討する.

方法:2019年10~12月,都内東村山市の介護予防事業参加者に対し横断研究デザインにて自記式質問紙調査を実施した.質問紙では,属性,食に関する地域活動への関心,食に関する地域活動の参加種類数・年数,主観的健康感と合わせ,活動の情報源,結果期待をたずねた.65歳以上の235人を解析対象とした.活動への関心の程度別の3群間で,情報源,結果期待の内容を検討した.

結果:食に関する地域活動への関心は,とても関心があった67人(28.5%),まあ関心があった98人(41.7%),関心がなかった70人(29.8%)であった.関心がなかった群は,とても関心があった群に比べ,『印刷媒体』よりも『人』を情報源とする者が多かった(オッズ比[95%信頼区間]=2.29[1.01, 5.19]).関心がなかった群,まあ関心があった群は,活動に対する結果期待が低かった.

結論:食に関する地域活動への関心がなかった者の情報源は,印刷媒体よりも周囲の人からの情報が中心であった.関心がなく結果期待が低い者に,地域活動への継続的な参加を促すには,初回参加時に楽しいと感じる経験を作り出すことが重要だと示唆された.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人日本健康教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top