日本健康教育学会誌
Online ISSN : 1884-5053
Print ISSN : 1340-2560
ISSN-L : 1340-2560
短報
母親の食生活リテラシーと幼児の食生活の課題との関連—朝食欠食,不規則な食事時刻,偏食に焦点をあてて—
深澤 向日葵吉井 瑛美會退 友美赤松 利恵 長谷川 智子福田 一彦
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 29 巻 2 号 p. 182-188

詳細
抄録

目的:幼児を持つ母親の食生活リテラシー(以下,HEL)と幼児の食生活の課題との関連を調べる.

方法:2018年12月のインターネット調査「幼児をもつお母さんとお子さんの生活についての調査」の母子の属性,HEL, 幼児の食生活の課題(朝食欠食,不規則な食事時刻,偏食)を用いた.HEL合計得点の五分位値で対象者をQ1群~Q5群に分け,5群間で属性,幼児の食生活の課題に差があるかをχ2検定で検討した.最後に,ロジスティック回帰分析で,母子の属性等を考慮し,HELと幼児の食生活の課題の関連を調べた.

結果:1,899人を解析対象とした(解析対象率62.1%).HELが最も高いQ5群は,母親の学歴(P=0.007),世帯年収(P=0.001)が高い者が多かった.HELが最も低いQ1群では幼児の食事時刻が不規則である者(P=0.066),偏食高群の者(P=0.075)が多い傾向であったが,幼児の朝食欠食に有意な差はみられなかった(P=0.781).母子の属性等を考慮すると,HEL Q1群ではQ5群に比べ食事時刻が不規則な者が多かった(オッズ比[95%信頼区間]=1.44[1.05–1.98]).朝食欠食,偏食との関連はみられなかった.

結論:HELが低い母親の幼児の食事時刻は不規則であるという課題がみられた.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人日本健康教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top