日本健康教育学会誌
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特集:第31 回日本健康教育学会学術大会
浜松市民の喫煙率低減を目指したアドボカシー活動
加藤 一晴
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2023 年 31 巻 4 号 p. 242-248

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抄録

かつての高度経済成長期にいくつかの地域で,環境破壊・水質汚染・大気汚染は進んだ.それぞれの自治体は,環境破壊に対し独自の調査・検証を行い,規制を含む条例制定に取り組んできた.国が動いたのはおよそ10年後である.昨今,社会的問題になっている喫煙規制であるが,この点でも我が国は後手に回る施策しかでできない.地方における諸問題の解決には,官民一体で立ち向かうのが望ましい.残念ながら地域住民は自ら動いて,草払いや整地に心血を注がねばならない.そういう姿を眺め続けた地方行政は,積極的な支援をしてくれる.Think globally, act locally(1960–1970年代の米国活動家:René Jules Dubo)とはそう云うことを意味する.我々は浜松市に於いて23年前から喫煙問題と対峙してきた.この間,社会環境に禁煙化を目論み様々なアクションを続けてきた.結果,喫煙場所が減少し,市民喫煙率は10%を割り込み,健康寿命延伸に寄与することができた.

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