第31回日本健康教育学会学術大会のテーマは,「エビデンスと実践のギャップに挑む」であった.本大会のねらいは,基礎研究や臨床研究,疫学研究により明らかになったエビデンスを,社会にいかに還元し実践につなげるかという視点で,健康教育やヘルスプロモーションの果たすべき役割と方法を考えることであった.新型コロナウイルスのパンデミック以降,初の対面開催となった.
大会には,現地362名,オンライン61名,計423名が参加した.指定演題は,学会長講演をはじめ,環境整備の推進方策を議論する鼎談,アクションリサーチ等の4つをテーマとした「Meet the Expert」,たばこ対策のアドボカシー活動と実装科学に関する2つの教育講演,医療におけるヘルスプロモーションと質改善,ナッジとインセンティブに関する2つのシンポジウム,学会奨励賞講演で構成され,充実した内容であった.
一般演題については,口演63題,ラウンドテーブル10題の計73演題の発表があった.口演63題の中から5演題が学会長賞を受賞した.共催セミナーは,ワクチン接種をテーマとしたイブニングセミナー,ナッジやICTの活用に関するランチョンセミナーが開催され,活気あふれる2日間となった.
開催後のアンケートからも,大会への満足度は高く,様々な気づきや学びがあったことが伺えた.本学術大会が参加者それぞれの実践と研究のさらなる発展につながることを祈念する.
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