2024 年 32 巻 4 号 p. 292-302
目的:中学校保健体育科保健分野のストレスへの対処に関する授業において,「技能」の習得を目指した授業を実践し,その内容について報告する.
活動内容:公立中学校1年生3クラス計102名を対象として,2023年12月にストレスへの対処に関する3時間の授業をクラスごとに実施した.生徒が自分の生活経験等をもとにしながら仲間と意見交換しあう中で考えが促され,「知識」や「技能」の習得が図られるように,グループディスカッションや実習を中心として授業を展開した.
活動評価:前後比較研究デザインを用いて,各クラスにおいて1時間目の前週に事前調査を,3時間目の翌週に事後調査をそれぞれ実施した.ストレスへの対処についての知識テスト問題の正答率は,設定した5問のうち1問において事後調査の方が有意に高率を示した.ストレスマネジメントの自己効力感尺度の得点は,授業の前後で有意な変化は示されなかった.また,「現在,ストレスを感じていない」者の割合は,事前調査に比べて事後調査の方が低かった.
今後の課題:ストレス対処についての「技能」の育成を目指す上で,実習での活動について教師や生徒同士のフィードバックを行ったり,個に応じた指導の視点からティーム・ティーチングを特に積極的に取り入れたりして,限られた時間の中でも効果的に「技能」の習得につながる指導の工夫が一層必要である.