日本健康教育学会誌
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特別報告
たばこ対策のロジックモデルとアクションプラン(総論)
中村 正和 片野田 耕太道林 千賀子齋藤 順子島津 太一
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電子付録

2024 年 32 巻 Special_issue 号 p. S94-S101

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抄録

健康寿命の延伸を目指す健康日本21(第三次)において,たばこ対策は引き続き重要なテーマであり,その効果的な対策が求められている.健康日本21(第三次)において,第二次計画とほぼ同様に,喫煙ならびに受動喫煙に関する4つの目標と目標値,すなわち成人の喫煙,未成年者の喫煙,妊婦の喫煙,受動喫煙に関わる数値目標が設定された.第一次,第二次計画では,目標が設定されるものの,その目標を達成するための道筋や方策について示されてこなかった.

そこで,第三次計画におけるたばこ対策の推進を目的として,4つの目標を達成するためのロジックモデルを作成するとともに,目標達成のための各種の施策を介入のはしごで分類整理し,実施主体別にまとめた.さらに,これらの施策の中から,たばこ対策の現状を踏まえ,実施主体が相互に連携・協働して取組め,かつ実行可能性と実効性が期待できるお勧めのアクションプラン(「ベストバイプラン」)を検討し,3つのプランを提示した.作成した3つのベストバイプランの施策名は,1)日常診療や健診等の保健事業の場での短時間禁煙支援の実施,2)職域における喫煙対策実施の促進,3)法規制の強化につながる受動喫煙防止条例の制定と対策の推進である.

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