日本健康教育学会誌
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女性中高年者の健康体操教室への継続的参加に関する研究
橋本 佐由理岩崎 義正宗像 恒次江澤 郁子
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1998 年 6 巻 1 号 p. 15-24

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抄録

本研究は、健康体操教室へ継続参加している女性中高年者に継続的な調査 (第1回: 1993年; 第2回: 1995年) を行ったものである。本調査では主に独自に開発した尺度を用いて、継続者 (n=107) と非継続者 (n=36) 、継続者 (n=107) と新入会者 (n=32) の比較検討を行なった。そして、教室の継続参加によりどのような心理社会的要因の変化が見られるのかを明らかにすることを目的とした。
1) 独自に開発した調査票の尺度は、教室へ継続参加している中高年者に適用し得る。
2) 教室への継続参加により、運動自信感、健康管理の自信感が高まる。
3) 教室の継続群と非継続群では、運動を促すような行動感覚、運動をめぐる情緒的支援ネットワークの高低に差が見られ、継続群の方が有意に高かった。継続者と新入会者では抑うつ (CES-D) に差が見られ、新入会群の方が有意に高かった。
4) 運動の継続年数と抑うつ度を見ると、高齢者用抑うつ度では、11年以上の継続者は有意に抑うつ度が低く、CES-Dでは1年以下の新入会者が有意に抑うつ度が高い。運動や健康管理の自信感については、11年以上の長い継続者は自信度が高い。

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