日本健康医学会雑誌
Online ISSN : 2423-9828
Print ISSN : 1343-0025
老齢期マウスの細胞性免疫機能に及ぼす運動の影響
杉浦 春雄杉浦 浩子石田 直章植屋 悦男大貫 稔
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2005 年 14 巻 2 号 p. 20-27

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抄録

本研究は,老齢マウスの脾細胞増殖反応,インターロイキン2(IL-2)産生能およびインターフェロンγ(IFN-γ)産生能に及ぼす8週間の自由運動の影響について検討した。BALB/c系,雄マウス(16ケ月齢)を運動群と対照群との2群に区分し,実験を行った。運動は,回転ケージを用いた自由運動を週3日,8週間実施した。concanavalin A(Con A)およびphytohemagglutinin(PHA)刺激に対する脾細胞増殖反応は,対照群と比較して運動群が高い値を示し有意差が認められた。対照群と比較して,運動群のCon A刺激に対する脾細胞のIL-2産生量は有意に高い値を示した。Con A刺激に対する脾細胞のIFN-γ産生量は両群に差異は認められなかった。以上の結果から,8週間の自由運動は,老齢マウスの細胞性免疫機能向上に効果的であることが示唆された。また,継続的な運動は免疫老化の予防に寄与するものと思われた。

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© 2005 日本健康医学会
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