日本健康医学会雑誌
Online ISSN : 2423-9828
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巻頭言
論説
原著
  • 冨樫 千秋, 佐久間 夕美子, 叶谷 由佳
    2020 年 29 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 2020/04/30
    公開日: 2020/11/05
    ジャーナル 認証あり

    目的:妊娠中の看護師対象に質問紙調査を実施し,出産後の就業継続意志に影響する要因について明らかにすること。

    方法:2005年22~44歳既婚女性の就業率が全国平均53.5%より低い都道府県で病院情報2012年度版(医事日報)に掲載されているすべての病院の看護部長に研究協力依頼と妊娠中の看護師数を尋ねる調査票を送付した。看護部長の研究協力が得られた施設に妊娠中の看護師数の質問紙を送付した。

    結果:156施設736名の看護師に質問紙を配布し481名から回答があった(回収率65.4%)。出産後も仕事を継続する予定である者は460名,予定はない者は17名であった。ロジスティック回帰分析により,年齢が1歳あがるごとに1.224倍,妊娠中の配慮がない職場勤務者に比べてある職場勤務者が4.794倍,育児に対して家族の支援が受けられない者に比べて受けられる者が5.698倍,家計を主として支えている者が自分である者に比べて自分でない者が0.166倍,看護師以外の専門資格が助産師である者に比べてない者が7.012倍出産後も仕事を継続する予定であることが明らかになった。

    考察:妊娠中の看護師において出産後の就業継続要因としては個人的な要因や職場環境の影響があることがわかった。出産後も仕事を継続することを支援するには育児に対して家族の支援体制がない場合の配慮や,妊娠中の配慮が重要であることが示唆された。

  • 北島 裕子, 鈴木 英子, 佐々木 晴子
    2020 年 29 巻 1 号 p. 17-26
    発行日: 2020/04/30
    公開日: 2020/11/05
    ジャーナル 認証あり

    首都圏の大学病院に勤務する看護師のバーンアウトの関連要因を明らかにすることを目的に,調査協力の得られた首都圏の大学病院1施設の全看護師1154名を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した。調査項目は,1)基本属性(性・年齢等),2)個人要因:看護職を継続する意思を尋ねた「看護職継続意思」,相談相手,ストレス対処能力・健康保持能力と言われるSense of Coherence(3項目版SOC尺度),パーソナリティ(日本語版TIPI-J),3)職場環境要因:残業時間,夜勤・当直回数,勤務場所,勤務体制,職位,ワーク・ライフ・バランス(看護職のワーク・ライフ・バランス尺度),医療事故回数,配属先への満足度,陰性感情(患者に対する陰性感情経験頻度測定尺度),時間管理(時間管理尺度),4)目的変数:バーンアウト(日本版MBI-HSS)であった。

    年齢・性別・MBI-HSSに欠損のない有効回答520名(男性24名,女性496名,有効回答率45.1%)の各平均値(平均値±標準偏差)は,年齢は32.4±9.3歳,看護師経験年数は,10.3±8.9年,MBI-HSS合計得点は,11.6±2.7点だった。重回帰分析の結果,職場環境要因であるワーク・ライフ・バランス尺度の下位尺度「仕事と生活の満足度」(β=-0.28),「キャリア能力開発」(β=-0.19),「勝手なことばかり言う患者が嫌になった(陰性感情)」(β=0.18),個人要因として,「看護職継続意思 あまり思わない」(β=0 .17),「SOC合計」(β=-0 .17),パーソナリティの「神経症傾向」(β=0.16)とバーンアウトとの関連が認められ,調整済みR2は,54%だった。

    看護師自身のSOCを高めること,看護管理者は,ワーク・ライフ・バランスを促進させること,加えて神経症傾向の者・看護職継続意思の乏しい者を見極め,具体的なサポートをすることでバーンアウト予防ができると考えられる。また,患者に対する陰性感情に関するさらなる研究が必要と考えられる。

  • 細見 亮太, 中澤 知奈美, 萩原 希, 福永 健治, 吉田 宗弘
    2020 年 29 巻 1 号 p. 27-38
    発行日: 2020/04/30
    公開日: 2020/11/05
    ジャーナル 認証あり

    食品添加物に用いられている無機リン酸塩は,大きく分けて正リン酸塩と重合リン酸塩に分けられる。これまでに高用量のリン(P)摂取による腎臓石灰化と腎機能低下について数多くの報告がなされているが,摂取するリン酸塩の化学形態の違いに着目した報告は少ない。そこで本研究では,餌料中のリン酸塩の化学形態およびP濃度の違いによるラットのPおよびカルシウム(Ca)出納,腎臓の石灰化,腎P, CaおよびビタミンD代謝関連遺伝子発現量に及ぼす影響を検討した。被験動物として4週齢Wistar系雄ラット24匹を用い,6匹ずつ4群に分けた。餌料のP源としてリン酸二水素ナトリウムとトリポリリン酸ナトリウムの2種類を用いて,正常P餌料(0.3%w/w, それぞれNP群およびNTP群)と高P餌料(1.5%w/w, それぞれHP群およびHTP群)をそれぞれ2種類ずつ調製した。飼育開始18日目から3日間,代謝ケージを用いて,糞と尿を分離採取し,これらのPおよびCa濃度を測定した。飼育開始21日目に常法により採血し,腎臓を採取した。腎臓については,PとCa濃度,組織学的観察,遺伝子発現量を測定した。高P餌料(HPおよびHTP)給餌群では,正常P餌料(NPおよびNTP)給餌群と比較して腎臓の重量,PおよびCa濃度の有意な増加がみられ,またVon-Kossa染色による観察結果から腎臓の石灰化が起きていた。さらに高P餌料給餌群では近位尿細管の障害指標である尿中N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ活性も有意に高かった。一方,HTP群ではHP群と比較して腎臓のPとCa濃度,および腎石灰化度合いが有意に高く,給餌するリン酸塩の化学形態の違いによる差異がみられた。正常P餌料給餌群と比べ,高P餌料給餌群は尿へのP排泄が有意に高く,また腎ナトリウム依存性リン酸トランスポーター遺伝子(Slc34a1およびSlc34a3)発現量も有意に低下していた。そのため,高P餌料給餌群では近位尿細管でPの再吸収を担うSlc34a1およびSlc34a3遺伝子発現を抑制することで尿へのP排泄が高まったと考えられる。さらに,尿細管でのカルシウム再吸収を担っているCacna1i遺伝子発現量は,HP群と比較し,HTP群で有意な低値を示した。以上のことから,高P摂取による腎臓の石灰化は,P濃度だけでなく摂取するリン酸塩の化学形態の影響も大きいと示唆された。

  • 井奈波 良一
    2020 年 29 巻 1 号 p. 39-45
    発行日: 2020/04/30
    公開日: 2020/11/05
    ジャーナル 認証あり

    女性看護師のプロアクティブパーソナリティ特性と職場のメンタルヘルスで注目されているジョブ・クラフティングおよびワーク・エンゲイジメントとの関係を明らかにすることを目的に,A民間総合病院の経験年数1年以上の女性看護師325名(平均年齢35.7±11.1歳)の自記式アンケート調査結果について解析した。対象者を,プロアクティブパーソナリティ得点に関して,57点以上を「高値」群,56点以下を「低値」群とし,2群間比較を行った。プロアクティブパーソナリティ得点高値群では低値群に比べ全てのジョブ・クラフティング得点が有意に高かった(p<0.01またはp<0.05)。プロアクティブパーソナリティ得点高値群では低値群に比べて,ワーク・エンゲイジメント尺度(合計)得点だけでなく全ての下位尺度得点が有意に高かった(p<0.01)。しかし,バーンアウト得点は,プロアクティブパーソナリティ得点高値群と低値群の間で有意差は認められなかった。主観的幸福度並びに「仕事の満足度」,「医師からのサポート」,「医師以外の医療専門職種従事者からのサポート」および「家族や友人からのサポート」の各得点は,プロアクティブパーソナリティ得点高値群が低値群より有意に高かった(p<0.01)。以上のことから,女性看護師では,プロアクティブパーソナリティ得点が高い者ほど,ジョブ・クラフティングを行い,ワーク・エンゲイジメントが高い可能性があると考えられる。

  • 岩﨑 幸恵, 杉浦 圭子, 片山 恵, 田丸 朋子, 山口 晴美, 徳重 あつ子, 阿曽 洋子
    2020 年 29 巻 1 号 p. 46-52
    発行日: 2020/04/30
    公開日: 2020/11/05
    ジャーナル 認証あり

    本研究は,高齢者の体型差を考慮した褥瘡予防ケアのための基礎研究として,肥満体型の高齢者の頭部挙上角度別に,仙骨部・臀裂部・臀部の血流量を比較することにより,肥満体型高齢者への適切な挙上角度を検討する事を目的とした。対象は,肥満体型高齢者14名であり,頭部挙上20度,25度,30度の仙骨部・臀裂部・左右臀部の計4カ所の血流量を測定した。

    その結果,頭部挙上20度では,圧迫によるうっ滞は認めたが,血流量の減少は認めず,各部位に褥瘡発生に繋がる要因は認められなかった。頭部挙上25度においては,圧迫によるうっ滞の後,20分経過後より血流量の減少が左臀部を除く部位においてみられた。頭部挙上30度では,特に左右臀部にうっ滞の程度も大きく,その後の減少も他の角度よりもみられた。これらより,肥満体型の高齢者においては,褥瘡予防のための挙上角度として30度ルールを適応すると,特に臀部に負荷をかける可能性があると考えられた。

  • 町田 貴絵, 鈴木 英子, 松尾 まき, 瀬戸口 ひとみ, 北島 裕子, 三輪 聖恵
    2020 年 29 巻 1 号 p. 53-60
    発行日: 2020/04/30
    公開日: 2020/11/05
    ジャーナル 認証あり

    目的:新卒看護師用のアサーティブネス評価尺度「Novice nurses assertiveness scale」(以下NNAS)の看護師への適応を検討し,この信頼性,妥当性を検証することを目的とした。

    方法:NNAS16項目を使用し,2018年6月に関東地方の大学病院3施設と国公立病院3施設に勤務する看護師3,303人を対象として,自記式質問紙調査を実施した。調査内容はNNAS及び属性として,生年月日,性別,実務職種,職位,看護師経験年数,最終学歴,配偶者および同居の子どもの有無とした。分析方法は,信頼性は内的整合性,妥当性は標本妥当性,さらに探索的因子分析より得られた仮説モデルの適合度を確証的因子分析により確認した。

    結果:有効回答1,929人を分析対象とした。最尤法,主因子法,プロマックス回転法,直接オブリミン回転法等を繰り返しおこない確認したが,「私は多大な業務量を行うように依頼された時に,断りたくても断れない」の1項目は,どの方法を組み合わせても,因子負荷量が低くまた2因子にまたがり良好な結果が得られなかった。そのため,この1項目を除外し,残りの15項目3因子とした。また,固有値1以上,因子負荷量は0.35以上として項目を確認し,最尤法,プロマックス回転での因子分析を行った。 Kaiser-Meyer-Olkin(以下KMO)の標本妥当性は0.86であった。尺度全体のクロンバックα係数は0.78であり,下位尺度は,第1因子0.86,第2因子0.78,第3因子0.71であった。また,探索的因子分析で得られた尺度の15項目において,仮説モデルの適合度はGFI=0.92,AGFI=0.89,RMSEA=0.07(p<0.01)と良好であった。

    結論:看護師では不向きと考えられる1項目が除外され,15項目で信頼性,妥当性が検証された。したがって,看護師全体のアサーティブネスの評価には,本尺度15項目の使用を提言する。

  • —素手による方法とグローブを用いた方法の筋活動および身体への負担感の比較—
    假谷 ゆかり, 阿曽 洋子, 片山 恵, 岩﨑 幸恵, 木村 淸子
    2020 年 29 巻 1 号 p. 61-70
    発行日: 2020/04/30
    公開日: 2020/11/05
    ジャーナル 認証あり

    20~50歳代の女性看護師19名を対象として,電動ベッドにおいて患者の上半身を挙上する時に生じる圧迫やずれを解放するための援助である「背抜き」を2回,1回は素手で,もう1回はグローブを装着させて実施させた。そして,各々の背抜き時における看護師の左右の脊柱起立筋,左右の大腿二頭筋の筋活動を連続測定するとともに,看護師が身体に負担を感じた部位および身体への負担感,患者の身体の感覚評価を調べた。

    筋活動量は,左脊柱起立筋と右大腿二頭筋において,素手で行う方がグローブ装着時より有意に大きかった。また,看護師の身体への負担感において,患者の身体の重さの体感と疲労感は,素手の方がグローブ装着より有意に高かった。素手の方がグローブ装着より有意に身体に負担を感じた部位は,右肩前面,右大腿前面,右大腿後面,右下腿前面,右下腿後面,左下腿後面,腰部であった。

    以上より,背抜きにおいては素手で身体を起こす方がグローブを用いた方法より看護師の身体的負担が大きいことが明らかになった。しかし,患者の身体の感覚評価では,素手の方がグローブ装着時より圧迫感やひっぱられ感は低値を示し,身体が楽になったかについては有意に高値を示した。

  • 福澤 知美, 冨田 幸江
    2020 年 29 巻 1 号 p. 71-83
    発行日: 2020/04/30
    公開日: 2020/11/05
    ジャーナル 認証あり

    新卒看護師の困難を乗り越える力であるレジリエンスとその関連要因を明らかにする目的で,関東地方1都6県の300床~500床未満の30施設に勤務する新卒看護師829人に対して,「年齢」,「看護師以外の社会人経験の有無」,「仕事とプライベートのバランスは保てている」,「職場環境に満足している」,「仕事の悩みを最も相談できるのは誰か」,「患者に直接かかわれる看護ケアはやりがいがある」,「自尊感情尺度」,「精神的回復力尺度」などを内容とした質問紙調査を行った。回答を寄せた256名(回収率30.8%)の中で,精神的回復力尺度(レジリエンス)の21項目全てに回答している253名を解析の対象とし,記述統計,2変量解析,多変量解析(重回帰分析)を実施した。精神的回復力尺度を目的変数,個人,職場環境,家族・プライベートの環境,仕事のストレス,看護師自身の自己の捉え方,看護実践への取り組みを説明変数とした重回帰分析(自由度調整済み決定係数=0.487)の結果,レジリエンスを高める要因は,「看護学生の時に困難を乗り越えた経験がある」,「自尊感情が高い」,「キャリアコミットメントが高い」,「ストレスが発散できている」,「患者にとって最善のケアになるように考え看護を実践している」,「患者とコミュニケーションを取ることが好きである」,「健康に自信がある」であった。一方,レジリエンスを低くする要因は「職場で自分の存在を認めてもらえていない」,「仕事に対してストレスを感じている」であった。これらの結果から,看護学生が様々な困難を乗り越える経験は重要であり,看護基礎教育において困難を乗り越えられるような教育的な関わりが,レジリエンスを高めることに有効であると考えられる。また,自尊感情とレジリエンスは関連しており,自己を肯定的に自覚できていることは,レジリエンスを高くする要因であると推察できる。さらに,職場で自分の存在を認めてもらえていないと感じている新卒看護師は,レジリエンスが低かったことから,職場では新卒看護師を肯定的に受け止め,支援することが重要であると考える。

症例・事例報告
  • ~ふみふみカルタを使ったレクリエーションゲームの試み~
    小石 真子, 古谷 昭雄, 田中 富美子, 阿部 真幸
    2020 年 29 巻 1 号 p. 84-88
    発行日: 2020/04/30
    公開日: 2020/11/05
    ジャーナル 認証あり

    地域密着型サービス事業所5か所(グループホーム3か所,認知症対応型通所介護1か所,小規模多機能型居宅介護1か所)の利用者32人(男性7人,女性25人,平均年齢84.3歳,75歳から95歳)のレクリエーション活動の一部に「ふみふみカルタ」を継続して用いることで認知症の重症化予防を試みた。ふみふみカルタとは,著者らが介護保険の給付を受けずに生活している高齢者や通所介護の利用者に対して開発されたカードゲームであり,運動・認知・口腔機能の向上を目指したレクリエーションゲームの内容に認知症の重症化予防のための残存能力を引き出す項目を加えたものである。平成28年4月~平成30年6月の期間において,レクリエーションの時間帯に介護職員が「ふみふみカルタ」の進行役となり,カルタを週に1回,3か月間行い,認知機能の変化を認知症の行動障害スケール(Dementia Behavior Disturbance Scale: DBD13)を用いて調べた。ふみふみカルタ実施前は16.8±8.0であったDBD13評点がカルタを3か月実施後に14.1±8.3に低下(p<0.001)しており,このカードゲームに認知機能重症化予防効果のあることが示された。

資料
  • 土肥 眞奈, 佐々木 晶世, 笹本 翔純, 叶谷 由佳
    2020 年 29 巻 1 号 p. 89-95
    発行日: 2020/04/30
    公開日: 2020/11/05
    ジャーナル 認証あり

    本研究はブラジル在住日系高齢者の肥満の有無別栄養摂取状況を明らかにすることを目的とし,質問紙による横断調査を実施した。対象は南日伯援護協会が主催した平成27年度実施の健康診断に参加したブラジル連邦共和国リオグランデ・ド・スル州に在住する65歳以上の日本語による会話が可能な日系高齢者とした。簡易型自記式食事歴法質問票を利用し,Body Mass Index(BMI)25以上の者とそれ未満の2群で栄養摂取状況を比較した結果,46名が対象となり,ビタミンC,マンガンはBMI低値群がBMI高値群を上回り,そのほかの栄養素はBMI高値群の摂取量が多かったがいずれも有意差は認めなかった。男女別に比較した結果,男性でBMI高値群が低値群に比し,有意にコレステロールの摂取が多く,女性でBMI高値群が低値群に比し,有意にいも類,豆類,その他の野菜,魚介類を多く摂取しており,男女でBMIに影響する栄養摂取,食品群別摂取状況が異なることが明らかになった。したがって男女別の食品摂取状況を考慮した保健指導が必要と考える。

  • 吉田 香, 土肥 眞奈, 叶谷 由佳
    2020 年 29 巻 1 号 p. 96-102
    発行日: 2020/04/30
    公開日: 2020/11/05
    ジャーナル 認証あり

    本研究では今後のブラジル日系永住高齢者への保健指導方法への示唆を得るため,保健指導に家族を含めることによる効果や課題について検討することを目的とした。

    65歳以上の日本在住の日本人高齢者本人を対象とし,ブラジルにおける保健指導で実際に配布された冊子を用い,家族同席のもと自由な発言や参加者間の自発的な会話を促すことができるように配慮しながら保健指導を行い,その後に高齢者本人のみを対象としてインタビューを実施した。

    対象となった日本人高齢者は2名であり,家族を含めた保健指導を受けたことによる効果として,【家族から保健指導の内容の補足説明を受けることで理解がしやすくなり自身に必要な行動を考えることができた】【保健指導の家族の同席については特に気にならず安心感が得られた】などの6個のカテゴリーが生成された。また,家族を含めた保健指導を受けたことによる課題として,【介護の忙しさから自身に必要だと思った行動の実施が難しいと感じた】などの2つのカテゴリーが生成された。

    これらのことから,ブラジル日系永住高齢者に対する保健指導においても,家族同席のもと,上記の配慮をしながら実施することで,本研究と同様の効果を得られる可能性が考えられた。また,対象者がより効果的に学習できるように,対象者の個人的な状況が保健指導を実施するタイミングに適しているかを確認することが必要であるという示唆が得られた。

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