2012 年 21 巻 1 号 p. 20-27
近年,生活習慣病の低年齢化が進み,肥満が問題となっているが,青年期の学生の身体活動量と生活習慣について実態を明らかにするために,肥満度と平均歩数および健康意識との関連について検討した。対象の年齢は15歳から22歳で,性別は男子29人,女子4人の33人であった。肥満度はBMIにて算出し,肥満,過体重,標準,やせの判定基準を用いた。歩数測定は月曜日から7日間行い,肥満度別に平日と休日の平均歩数を検討した。結果,平日の平均歩数は6691歩で,休日の平均歩数は3187歩であった。平日より休日の平均歩数が有意に少なく,いずれも健康日本21の目標数値よりも少ないことを示した。肥満度との相関では木曜日の平均歩数と相関があった。肥満・過体重の通学生と寮生の平均歩数を比較すると,寮生の平均歩数が有意に多かった。また,調査票の結果では,健康への関心が肥満・過体重学生が標準・やせ学生より関心が低いことを示したほか,間食する生活習慣が見られた。健康への認識は運動回数と,また,平均歩数が運動継続と相関のあることが明らかになった。