1950 年 15 巻 51 号 p. 86-94
大阪のある郊外電車で, 釣合ばねのこわさ, 心皿の形状を変え, また外輪の摩耗せる場合および削正せる場合につき, 走行中の振動の変化を研究したものである.その結果, 上下動は心皿および外輪の状態によつてあまり変化なく, その振動周期はわれわれの計算結果で説明できることがわかつた.また左右動は釣合ばねのこわさおよび心皿の形状によつてはあまり変化しないが, 外輪の摩耗状態によつて著しく変化すること, また測定された振動を蛇行動および各種の固有振動が重畳して表われるものとして説明できることがわかつた.左右動に対しては0.35s程度の車体の曲げ振動が非常に大きく表われ, 高速の100km/h程度で特に悪い影響を與える.これらを乗心地の点から見ると, 上下動はいわゆる"乗心地が