1979 年 45 巻 394 号 p. 611-621
本報では,従来ほとんど扱われなかった変速移動荷重に関する弾性体の非定常応答問題の理論解析を,円柱座標系においてリング状の衝撃ねじり荷重に対して行った.解法としては,積分変換法(ラプラス・ハンケル変換),Mitraの解法,Cagniardの解法を用い,解を積分形で,全時間,全空間にわたって求め,数値計算も行い,変速移動荷重による弾性体の非定常応答特性を明らかにした.その結果,変位は衝撃波の波面においては速度形態にかかわらず有限の跳躍を示すこと,また加速移動荷重の場合には,他の場合には見られない対数特異性を示す波面が生ずることが明確になった.