基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
第18回基礎有機化学連合討論会
セッションID: 1PB43
会議情報

ねじれたπ共役系をもつテトラベンゾペンタセン誘導体から発生するカチオン種のNMR観測と理論計算
*山本 篤岡崎 隆男木下 知己大江 浩一
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

9,10,11,20,21,22-Hexaphenyltetrabenzo[a,c,l,n] pentaceneは、大きくねじれたπ共役系をもつことが、Pascalらにより報告されている。本研究では、ねじれたπ共役系をもつテトラベンゾペンタセン誘導体(1)を合成し、そこから発生するカルボカチオンについてNMR観測と理論計算によってその電子構造について調べた。化合物1を-50 ℃でトリフルオロ酢酸と反応させると溶液は青色へと変色し、カルボカチオン1+が発生した。これを低温NMRにより観測したところ、13C NMRにおいてカチオン中心の炭素のピークが182 ppmに現れた。また、化合物1及びカルボカチオン1+に対して理論計算を行ったところ、ねじれた構造をもつことがわかった。

著者関連情報
© 2006 有機反応化学討論会
前の記事 次の記事
feedback
Top