抄録
我々は、これまでにCyclopentadienone類 (1a) と、三重結合を持つ不飽和アミン、並びに塩基性条件下で不飽和アルコールの反応において1,4-付加後 ene 反応を経て2環性化合物あるいは 1,5-転位後、分子内 DA 反応を経て4環性化合物を形成することを報告した。
今回、アミン、アルコールでヘテロ5員環縮環反応を炭素5員環縮環反応に展開する為、DABCO触媒下で1a と alkynyl ketone 類との反応を行ったところ上記の反応が進行し、2環性、4環性化合物が生成した。更にalkynyl ketone 類のカルバニオン体、アセチリドアニオン体による付加反応成績体であることが示唆される新規2環性化合物が生成し、そのうち3種の生成物について単結晶X線解析を行った。半経験的分子軌道計算や密度汎関数法を用いて基底状態および遷移状態計算を行い、反応機構を考察した。