抄録
キラルピペラジン用いた不斉Michael反応の汎用性を検討する過程において,2-oxo-cyclopentanecarboxylic acid benzyl esterにZ-4-oxo-pent-2-enalを混合させるだけでフラン化反応が進行し,2位に四級炭素を構築できる事を見いだし,さらにジアステレオ選択的反応について検討したので発表する。この反応はHFIPや安息香酸などの弱いブレンステッド酸を添加することにより加速された。穏やかな条件下でフランに4級炭素置換基を導入できることがわかったので,β-ケトエステルにキラル補助基を導入し,反応加速剤として各種酸を加えることで,ジアステレオ選択的なフラン環の構築の検討を行った。キラル補助基に8-phenylmenthol、添加剤に2,2,2-trifluoroethanolを用いる事で高い収率を維持したまま、高ジアステレオ選択性の発現に成功した。(96% de)今後は,絶対立体化学を決定し,このジアステレオ選択的反応の汎用性を検討する予定である。