主催: 基礎有機化学討論会組織委員会
共催: 日本化学会, 近畿化学協会, 大阪大学大学院グローバルCOEプログラム「生命環境化学グローバル研究教育拠点」, 有機合成化学協会(協賛), 日本薬学会(協賛)
電気および光物性を併せもつ新奇な共役パイ電子系の創出を目的として、ゼトレンに注目した。ゼトレンの合成は、1950年代に段階的な合成法により達成されているが、これまで、ゼトレンやその誘導体の物性に関する詳しい研究は報告されていない。今回、ジナフト[10]アヌレンの近接した三重結合の渡環環化反応を利用する7位および14位に官能基を持つゼトレン誘導体の合成を計画した。パラジウム、銅触媒を用いた温和な条件下でジナフト[10]アヌレンを合成・単離した後、希釈したエーテル溶液中でヨウ素を反応させたところ、期待した通り7位および14位にヨウ素が置換したゼトレン誘導体が生成することを見出した。