主催: 基礎有機化学討論会組織委員会
共催: 日本化学会, 近畿化学協会, 大阪大学大学院グローバルCOEプログラム「生命環境化学グローバル研究教育拠点」, 有機合成化学協会(協賛), 日本薬学会(協賛)
vic-ジスルホキシド[RS(O)S(O)R]はジスルフィド類を酸化した際に生成する不安定中間体であり,従来,安定に単離された例はなかったが,最近我々は,3員環ジスルフィドおよび5員環ジスルフィドの酸化により,対応する環状vic-ジスルホキシドの単離,構造決定に成功した。ここでは,嵩高い置換基をもつ鎖状ジスルフィドおよび8員環ジスルフィドの酸化によりvic-ジスルホキシドの合成を検討した結果について報告する。ジ(アダマンチルメチル)ジスルフィドを低温で酸化した場合,低温NMRにより,vic-ジスルホキシドの生成を観測したが,それは昇温することにより,チオスルホナートへと異性化した。