主催: 基礎有機化学討論会組織委員会
共催: 日本化学会, 近畿化学協会, 大阪大学大学院グローバルCOEプログラム「生命環境化学グローバル研究教育拠点」, 有機合成化学協会(協賛), 日本薬学会(協賛)
我々はこれまで、第16族元素が関与する非結合相互作用を活用した拡張超原子価結合系の構築を行ってきた。今回これらの非結合相互作用にエチニル結合を介在させ、さらなる拡張超原子価結合系の構築をめざして分子設計ならびに合成を行った。化合物の構造は、固体状態についてはX線結晶構造解析により、溶液状態についてはNMR解析により決定した。その結果、6中心10電子結合および10中心12電子結合に相当する拡張超原子価結合を有する系の構築に成功したことが明らかとなった。この結果は量子化学計算においても、擬似的ではあるが拡張超原子価結合が有効に作用していることが支持された。今後エチニル基を介在した拡張超原子価結合系の一次元構成単位としての展開が期待できる。