主催: 基礎有機化学討論会組織委員会
共催: 日本化学会, 近畿化学協会, 大阪大学大学院グローバルCOEプログラム「生命環境化学グローバル研究教育拠点」, 有機合成化学協会(協賛), 日本薬学会(協賛)
第13族金属化合物は代表的なルイス酸として用いられるが、反応後に生成物の解離が困難となるため触媒的利用には制限がある。この問題を構造面から解決するために三つのフェノール部位を分子内で連結した配位子を新しく設計し、そのかご型ホウ素錯体を合成した。本錯体では金属に配位する部位が分子内で連結されているため、錯体の再生が容易となり触媒能が向上する。また、かご型構造がホウ素周りの立体を歪ませることで、LUMO準位が低下しルイス酸としての反応性が向上する。さらに三つの配位部位を結ぶ原子を変化させることで錯体の構造を緻密に制御できた。その結果、ルイス酸性の系統的な調整が可能となり、反応に最適なルイス酸性を創り出すことに成功した。